看護師が精神科で得られるやりがいや魅力

精神科を訪れる患者が他の診療科の患者と違うところは、回復について確認しづらい点が大きいところにあります。病気やケガと違い、治り具合を検査の数値や目視で確認できるわけではないので、態度や受け答えなどで判断するしかありません。全治何ヶ月といった完治の見込みが立てづらいことから、他の診療科と比べると比較的患者と長く付き合えるのが精神科の特徴です。患者一人ひとりの回復をサポートするため、医師よりも近い距離でサポートする看護師がケアを占める割合は大きく、その責任もやりがいも大きいです。コミュニケーションが取りづらかった患者が、だんだん回復していくという過程に触れられるのも魅力の1つでしょう。医師のサポートだけにとどまらず、様々な場面において患者とのコミュニケーションを積極的に進めていくことを求められる職場です。

また、ストレス社会と言われる現代において、心に問題を抱えている人はどんどん増加しています。多くの患者が精神科を受診しており、うつ病や統合失調症など精神疾患にまつわる悩みを相談する人は少なくありません。つまり、精神科は現代社会で需要の高い診療科の1つであり、看護師としてもそこにやりがいを感じやすいと言えるでしょう。また、精神科で習得した知識や経験は、ほかの診療科でも役立てやすいという魅力があります。それは、コミュニケーションスキルです。精神科での看護経験から、さまざまな年代の患者一人ひとりに合った接し方が身についています。どういう風に話しかければいいのか、不安を与えないためにはどういう接し方がいいのかなど、工夫したコミュニケーションを取ることができます。対話が重要な科ならではのスキルで、患者に安心感を与えながら看護ケアを提供することができるでしょう。